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16.マシンガントーク

2008.03.19 *Wed
この16.マシンガントークの「青の導師」はさりげなくHPのほうで書いたあるキャラと関連のあるキャラのお話。
誰か気づくまでにはもう少し回数が必要なのだろうなぁ。

これは番外編のつもりだから、本編を別にするべきか、おだいで書くべきか(´・ω・`)
なやむなり。


大きな変化がもうじき起こることだろう。世界の一角にいる最後の青の眷属。青の導師アークスは穏やかな今が終わりを告げつつあるのをただ理由も無く確信している。
穏やかな今が続けばいい。そう思うのに、総てが敵に思えてしまうような焦燥。穏やかでやさしい今が、すべて嘘でまやかしであるような錯覚。
そしてたった二人しかいない青の眷属である自分たち。最愛の仲間であり家族であり、兄妹のアース。
彼女が人間に恋をした。それも、彼らを裏切ると、確信できる人間に。

 彼女はよくこける。彼女は色を知らない。とても昔、彼女は何もない場所に住んでいたから、何かにぶつかるということにいまだなれない。その様をアークスは饒舌に語ってみせる。
「みましたか!アースはかわいいですね。世界最高に美しいと思いませんか。いいえ愛らしいというべきでしょうか今日も見事にこけたのですよ。あのわずかな段差で。」
ふーっと遠くでアースが猫が怒ったようににらみつけたがアークスはにっこりとなりに向かって話を続ける。
「そもそも、あの愛らしい妹を横からかっ攫おうだなんてあなたはどこの極悪人なのでしょうかいえ極悪人ですよね。何で人間のほうであなたは罰せられないのか不思議なものです。」
「そのようなことで罰せられてなるものか。そもそもかっさらう気もない。人間でも決闘という審判方法がある。ようやくは勝った者が娘をもらうというものだが。」
「おや私の屍を越えていく気ですか?――― させませんよ。私はまだまだ現役ですから!もちろんその他大勢のけものどもにもね。アースを渡すくらいなら世の男をすべてけしますよ。(・・・・ああ、でもアースにばれたらまずいので、こっそりと、ですが)」
こそこそと耳打ちするアークスにクレイヴが眉を寄せる。
「騎士の俺に、詰まらんことで剣を抜かせないでくれ。」
「いやですね、半分は冗談ですよ冗談。」
(・・・半分は本気なのか?)
内心疲れたようにそう思うクレイヴだが賢明にも言葉には出さなかった。
「・・・・・・ただ。
アースは・・、命がけです。何事も。なぜ体力がないのに命がけで走るかわかりませんが、そして走ってこける。そこがますます可愛いところなのですが。」
沈黙の後真顔になったアークスにクレイヴも真剣になりかけたが、言葉の途中でまた顔面の表情に力がなくなってくる。修行が足りませんね、とアークスは内心思う。
「・・・・・・俺にどうしろというのだ。」
「走らせないでください」
アークスはにっこりわらってみせる。
「そろそろやめろ、突っ込む気力もない」
表情を吐露することのないクレイヴがとうとうあきれたため息を落とした。
クレイヴ彼は騎士だ。漆黒を纏う人間の騎士。その使命はアークスたち魔族を滅ぼさんとすること。
そしてアークスの言葉は嘘ではない。アースは命がけでクレイヴに恋をしている。元々少ない生命力をいっぱいに輝かせて、ただでさえ美しく。本当は儚く脆い命を必死で輝かせている。
無知だからではない。アースは悲しいぐらい純粋でまっすぐな娘だから。

世界の情勢がもっと違っていたら、アークスたち兄妹が、もしくはクレイブが、みなが同じ種族であったならば。こんな風に、悲しい結末を予知しなくても良かったであろうに。

神が、総てを捨てようと、思わなかったなら。

ありえないことを、アークスは。
だがすぐにその思考を振り払い、今のことを考える。

裏切らないでほしい。
焦燥を混ぜながら、アークスは一生懸命アースのよさをクレイヴに刷り込み続ける。
クレイヴに、どうか。多くのものから自分たちだけをただ選んで欲しくて。立場が違うことを忘れるように、それを乗り越えられると信じたいから。

本当は、アースのように乗り越えられないと信じられない自分をごまかすために。


青の導師

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2008/03/20(木) 20:45:01 | | # [Edit

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